警備会社のM&A・売却|人員・現場契約の承継
警備会社の売却では、認定の確認に加え、現場契約と隊員配置を維持できるかが重要です。1号・2号警備をはじめ、業務区分ごとの人員・管制・採算を整理し、会社と現場の両方から事業承継を検討します。
会社の売却と、現場の継続を一緒に考える
売上や警備員の人数だけでは、承継後に同じ業務を続けられるか判断できません。どの営業所が、どの現場へ、誰を配置しているかを契約と対応させます。隊長・管制担当・指導教育責任者への依存や、欠員時の補填方法も整理します。
最初に決めたいのは、売却価格だけでなく、従業員の雇用、地域の取引先、営業所、経営者の引継ぎ期間のうち、何を優先するかです。譲れない条件と相談できる条件を分けると、譲受候補との比較がしやすくなります。
初期資料では、警備先を特定させない
現場名を「施設A」、顧客名を「取引先B」などの管理番号へ置き換え、用途・契約期間・月間売上・配置人数をまとめます。詳細所在地、巡回経路、入退館情報、鍵番号・暗証番号や映像を初回資料に添付する必要はありません。
秘密保持契約を締結した後も、閲覧者、目的、対象資料、保管・返却・削除方法を決めて段階的に開示します。警備先との契約上の制限や個人情報の取扱いも確認します。
初回相談に向けてそろえる資料
資料が全て完成していなくても、所在と不足点を一覧にすると確認を進めやすくなります。以下は法定提出資料の一律一覧ではなく、売却検討のための整理例です。
表は横にスクロールできます。
| 項目 | 資料例 | 確認すること |
|---|---|---|
| 認定・営業所・業務区分 | 認定と届出の情報、営業所一覧、取り扱う業務区分、責任者の一覧 | 売買の前後で法人・役員・拠点・責任者の何が変わるか。必要な認定申請や届出を所轄に確認する。 |
| 隊員・教育・配置 | 氏名を伏せた職種別人数、資格・教育記録の管理状況、配置・シフト表 | 隊長や指導教育責任者の継続意向、休暇・欠員時の代替、教育実施の記録が実態と合うか。 |
| 委託契約と更新 | 現場別の契約期間、更新・解約条件、料金改定、譲渡・支配関係変更に関する条項 | 通知・承諾、再委託、名義変更等の要否。更新予定と、見込み売上に含めた前提を区別する。 |
| 現場別の採算 | 現場別売上、人件費・残業・交通費、採用教育費、応援・外注費の集計 | 必要人数を配置した後の利益を見る。繁忙期、欠員、値上げ交渉中の案件を分けて確認する。 |
| 管制・設備・貸与物 | 管制手順、連絡網、車両・無線等の台帳、顧客からの貸与物、保守契約 | 所有者と管理責任、返却義務、機械警備を含む場合の運用・届出、移行中の連絡体制を整理する。 |
| 事故・苦情・未解決事項 | 事故・クレームの種類別集計、対応記録、保険、是正策と未完了事項 | 責任の所在と残る対応を共有する。初期段階では当事者名や警備先の詳細を必要以上に開示しない。 |
認定・届出と、顧客契約の手続は分けて確認する
警視庁の案内では、新たに警備業を営むには公安委員会の認定が必要で、営業所ごと・取り扱う業務区分ごとに警備員指導教育責任者を選任します。M&Aでは、認定の有無だけでなく実際に業務を続ける法人と体制を確認します。
株式譲渡で同じ法人が続く場合でも、役員・名称・営業所・責任者等の変更を点検します。事業譲渡では、譲受企業が保有する認定と引継ぐ業務・拠点を踏まえ、必要な認定申請や届出、譲渡企業側の手続を所轄へ事前確認します。譲渡企業の認定が自動的に移る、または譲受企業に必ず新規認定が必要とは一律に扱いません。
顧客契約上の通知・承諾や従業員の引継ぎは、認定の手続とは別の確認です。営業所の賃貸借、機器のリース、協力会社との契約も、取引方法と個別条件に合わせて整理します。
売却価格と引継ぎ計画を検討する順序
- 収益の前提をそろえる:現場別採算と決算の数字をつなぎ、一時的な応援費用、経営者が無償で担っている管制業務、必要な採用・教育費を確認します。
- 継続条件を洗い出す:更新期日、主要現場への依存、責任者の継続、労働条件や勤務希望を整理します。現場が多いだけで分散しているとは判断せず、同じ委託元への集中も見ます。
- 実行前後の担当を決める:現場への説明、契約手続、勤務表の切替、鍵・機器の授受、緊急連絡先の確認を誰が担うか決めます。
価格はこれらの条件に加え、資産・負債、将来の必要投資、譲受企業との合意によって変わります。売上や隊員数へ一律の倍率を掛けて確定するものではありません。
よくあるご質問
株式譲渡なら警備業の変更手続は不要ですか。
同じ法人が営業を続ける場合でも、役員・名称・営業所・責任者等の変更を確認します。取引前後の変更点を一覧にして、所轄の警察署へ必要な手続を相談します。顧客への通知や承諾は、契約条件に基づき別に確認します。
事業譲渡で警備業認定もそのまま移りますか。
譲渡企業の認定が自動的に譲受会社へ移るとは扱いません。譲受企業の認定保有状況、引継ぐ営業所・業務区分・責任者を整理し、必要な認定申請・届出と実行日を所轄へ事前に確認します。
隊員名簿や警備先名は初回から提出しますか。
初回は氏名や警備先名を伏せた集計から始められます。職種・資格・配置人数、契約期間、現場別売上など、判断に必要な概要を整理します。詳細の開示は、顧客契約や個人情報の取扱い、閲覧者と目的を確認して段階的に進めます。
警備員や現場責任者の雇用は必ず維持されますか。
維持を希望する条件として整理し、取引方法、雇用契約、本人の意向、譲受企業の運営方針を確認します。継続を自動的に保証するものではありません。給与・勤務地・シフトや教育体制の希望も、担当者と説明時期を決めて協議します。
警備会社の売却価格は売上の何倍ですか。
一律の倍率では判断できません。現場別の実態利益、契約更新と解約の条件、人員の継続、採用・教育費、資産・負債、引継ぎに必要な対応を確認します。同じ売上規模でも、必要な人員や契約条件で評価は変わります。
売却を決めていなくても相談できますか。
はい。希望時期、譲れない雇用・取引先の条件、事業と人員の概要から状況整理ができます。初回に鍵番号・暗証番号・巡回経路などの詳細を送る必要はありません。必要な資料と開示範囲を確認してから進めます。
あわせて確認するページ
警備人材・管制の承継と、セキュリティ会社の売却相談の流れもご確認ください。
参考資料と確認先
認定・届出の案内は警視庁の公表資料です。所在地・取引方法に応じた個別の手続は所轄へ確認してください。資料表と検討の順序は、当センターによる準備の整理例であり、法定提出資料の一律一覧ではありません。
本文・参考資料の確認:2026年9月7日/編集:株式会社M&A Do
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譲渡企業様の当センター手数料は、成功報酬まで0円です。
譲渡を決める前でも、社名を伏せたまま状況整理から相談できます。秘密保持を前提に、開示範囲を確認したうえで進めます。
運営: 株式会社M&A Do / 秘密保持徹底